今年の確定申告も終わり、ホッとしている方も多いのではないでしょうか

しかし、一方で
「申告内容に間違いがあって、税務署から何か言われないかしら?」
「税務調査が来たら、どうしよう」
など、不安に思うこともあると思います

今回は、そんな税務調査について書いています

 

税務調査が多い時期は?

一般的に、税務調査の最盛期は9月~12月と、4月~5月と云われています
これは、税務署の人事異動が7月10日であることにも関係しているのです

7月は人事異動があり、主に事務の引継ぎや事務計画策定が行われます
8月はお盆があるので、調査時期を配慮する関係から、調査件数は少なめになります

というわけで、9月からが調査の最盛期になってくるわけです
そして、12月まで調査を行い、年が明ければ確定申告の時期になります

確定申告時期になれば、税務署は総動員で確定申告に対応しなければならないので調査は控えめになります
次は4月から調査再開となるわけです

6月は7月10日の人事異動を控えているので、新たな調査着手は少なくなります
だいたい、こういった流れで1年間の税務調査が実施されると考えればよいでしょう

また、上半期(9~12月)に実施される調査と、下半期(4~6月)に実施される調査には、少し違いがあります
上半期の調査は「本気モード」で行われますが、下半期の調査は比較的「軽め」の調査が多いようです

下半期は、時期的に「もうすぐ人事異動」という状況なので、あまり長期化しそうな事案は避けられる傾向にあるようです
ただし、調査対象法人の決算期の関係などから、下半期でも「超本気モード」の調査が行われることもありますので、安心はできません

 

調査対象はどうやって決まるの?

気になるのは、どんな会社が税務調査の対象になるのか?ということです

「うちの会社は設立10年目になるけど、いままで調査を受けたことがない」
という社長さんもいれば

「うちは、この10年間で3回も税務調査を受けた」
という社長さんもいます

この違いが何かということは、一言では表現できないのですが
あえて言うなら、「追徴課税が見込まれる会社」は調査対象になりやすいということです

税務署は、提出された申告書や付属資料を分析したり、資料情報を収集しています
そして、これらの分析結果や情報に基づいて調査対象者を決めているのです

たとえば、こんな会社は調査対象になりやすいと言えます

・前回の調査で多額の追徴課税があった
・売上が急に伸びた
・利益が急に増えた(又は減った)
・特定の科目が急に増えた(減った)
・代表者や家族との資金交流が頻繁(役員借入金の増減など)
・不審な資料情報がある
・長期間、税務調査が行われていない会社
・役員報酬が異常に少ない会社

これらの他にも、事業規模がある程度大きな会社などは、定期的に調査が実施されています

逆に、調査が少ない会社というのは

・何度調査しても、問題が発見されない
・税務署から見て「しっかりした税理士」が顧問になっている
・税理士法33条の2の書面添付がある
・決算内容を分析しても異常係数がない
・怪しい資料や情報がない

などです

上記の「税理士法33条の2の書面添付」というのは、顧問税理士が領収証や取引資料などを細かくチェックしたうえで申告書を提出する場合に、そのチェック内容を申告書に添付して提出するものです

この書面添付があると、税務署は調査実施前に税理士へ意見聴取をしなければいけないことになっています
さらに、その意見聴取で疑問点が解決されれば、税務調査が実施されないケースもあるのです

私の事務所では定期的な訪問監査を主体としていますので、顧問先様の希望に応じて「33条の2の書面添付」を実施しております

 

調査対応でやってはいけないこと

税務調査に抵抗したり、非協力的な態度で帳簿の提示を拒否したりすれば、税務署は十分な調査ができないだろうと考える人もいるようですが、これは「やっちゃダメ」なパターンです

というのも、税務署には「伝家の宝刀」ともいうべき「更正・決定」という強い権限があります

ある事例では、調査官に帳簿などを一切提示しなかったために「帳簿保存がないもの」として扱われた結果

・青色申告承認の取り消し

・取引先や取引銀行の反面調査

・税務署が調査によって算出した所得金額で更正

という処分を受けたケースもあるのです

ちなみに、税務署の更正や決定などの処分に不服がある場合は、異議申し立てすることができます

しかし、異議申し立てをしたからといって延滞税の計算がストップするわけではないので、追徴された税金の納税義務は一時的に発生します

つまり、異議申し立て中の調査の追徴課税分であっても、税務署は差し押えなどの「滞納処分」ができるのです

まあ、ここまでフルコースで厳しい処分をされることは通常では無いと思いますが、いずれにしても「税務署に目を付けられる」ような行為はお勧めできません

以前、先輩の調査官が印象的なことを言っていました
調査に行っても、”どうぞどうぞ”ってされるとやる気がなくなる

逆に言うと、抵抗されるほど「燃える!」のだそうです

税務調査に対しては、不必要に非協力的な態度をとったり、過剰に抵抗することは逆効果になるケースの方が多いと考えていた方が良いでしょうね

 

正しい税務調査対応とは

税務調査が実施される場合には、原則として税務署から「事前通知」があります

ただし、事前通知無しの調査も時々ありますので注意が必要です

事前通知は、「顧問税理士にして欲しい」という旨を税務代理権限証書に記載しておけば、税務署から税理士に連絡が入るようになっています

調査日程については、税務署から予定日が示されますが、業務予定で都合が悪い場合などは遠慮せずに日程変更を申し出てください

また、調査日までに保存帳簿の用意など事前準備をしておくことも必要なので、余裕をもった日程にしてもらうことも重要です

このあたりの日程調整や準備内容については顧問税理士とよく相談することをおすすめします

一方、あなたの会社に「事前通知なし」で調査官が来たら?

「下手に抵抗したら疑われるのでは?」などと考える必要はありません
逆に、不必要に抵抗することも得策ではありません

まずは、落ち着いた態度で応対しましょう

感情的になったり、興奮して対応することは「逆効果」です

また、税務調査そのものを「拒否」することは法律上できませんので、「調査拒否」と取られるような言動は慎みましょう

次に、「なぜ、事前通知なしで調査に来たのか?」を確認しましょう

といっても、こちらから尋ねなくても調査官から「調査理由」の説明がありますので、よく聞いておきましょう

そして、もっとも重要なことは
顧問税理士に連絡すること
です

なにはともあれ、すぐ顧問税理士に連絡しましょう

この連絡で、顧問税理士と調査官が話し合いをします

そして、(社長が了解することが大前提ですが)当日に調査が行われることになった場合
顧問税理士が来社するまで調査開始を待ってもらいましょう

「概況的なお話だけでも・・・」とか言ってきますが
税理士が来るまで待ってください」とハッキリ伝えましょう

調査官の質問や雑談には「全て狙いがある」と思って間違いはありません

そういった「狙い」が読み取れないままに、調査官の質問に答えることは、あらぬ誤解を招くこともありますので、顧問税理士が到着するまでは、待ってもらうのが得策です

また、当日の予定が既にあって調査対応が難しい場合などは、遠慮せずに日程変更を申し出てください

「日程変更」は「調査拒否」ではありません

基本的には、顧問税理士があなたの代理人として税務署と対応してくれると思います

不必要に恐れたり、逆に抵抗する必要はありません

もっとも、いくら顧問税理士があなたの味方だといっても、意図的な脱税は擁護できません

あくまでも、キチンと経理をして正しい申告を目指していることが前提です

税務調査に関しては、ほかにも
・税務調査官の「質問」の狙い
・税務調査の事前準備方法
・調査中の対応方法
・税務署が調査先を決める「もうひとつの基準」

などのネタもあるのですが、公開するには難しい部分があるので割愛させていただきました

税務調査は、恐れず軽く見ず万全の準備をして、顧問税理士と共に対応しましょう

特に、調査に強い顧問税理士であれば、より心強いことと思います

 
【関連記事】

 

 

Caution
※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
実際の解釈や適用に当たっては必ずご自身の責任のもとで再確認等をお願いいたします。


お知らせ


山口県防府市の天河税理士事務所からのお知らせです。

事業を継続し発展させるためには、経営者が事業に専念する時間の確保が重要です。

悩んだり迷ったりしている時間を、経営や営業に使ってください。

当事務所は地元企業の経営者に寄り添い、税務会計を中心にサポートしています。

また、創業して間もない企業やSOHOビジネスの支援にも積極的に取り組んでいます。

税務や経理でお悩みの方は、お気軽にお問い合せください。

※対応エリア~山口県中央部を主体に県内事業者の方に対応いたします。



電話受付9:00~17:00(土日休日除く)


事務所詳細はTOPページへ