(出典:ぱくたそ)

今回は、小売業・飲食業・理美容業などの、いわゆる現金商売の事業者に対する税務調査の対策について書きました。

私の事務所でも現金商売をされているクライアント様から「税務調査に関する相談」を受けることが増えてきたので、メモ的にブログへ残しておこうという目的もあります。

内容的には、現金商売のお店が税務調査で多額の追徴課税を受けてしまう状況や、その対策などについてまとめました。

・帳簿を1年分まとめて作って確定申告している

・現金管理が不十分で税務調査が怖い、不安

という方の参考になればと思います。

 

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売上の小さなお店にも税務調査はやって来る

「うちは小さなお店だし、売上も少ないから税務調査は来ないだろう」と思っていませんか?

実際には、売上1~2千万円くらいのお店でも税務調査がおこなわれることはあります。

現金商売の税務調査では売上を調査するのが主目的です。

つまり、申告された売上が少ないのは「売上が漏れているからではないか?」と当局は考えるわけですね。

従って、申告された売上高が小さくても調査対象になる可能性は十分にあるというわけです。

※税務調査対象になる要素は売上以外にもたくさんあるのですが、今回のテーマから外れますので説明は割愛します。

税務調査を受けた人から、こんな話をよく聞きます。

「たった数件の売上計上漏れが発見されたのを切っ掛けに多額の追徴を受けた!」

なぜ、こうなってしまうのか?

それは、現金管理が適切になされていないからです。

現金管理をする場合、現金出納帳を記帳するのが一般的です。

しかし、業務が忙しくて帳簿整理ができていないというケースも多いのではないでしょうか。

現金出納帳ができていないということは、現金管理が疎かになっているということです。

現金管理がルーズだと、売上計上漏れが発生する可能性が高くなるのです。

 

現金管理が疎かだと売上が漏れるメカニズム

人間はミスをする生き物です。

私の経験則から言えば、ミスが発生する確率は5%程度。

レジ精算表の金額を見間違えたり、転記ミスをしたり、計算誤りだったり、

いわゆるケアレスミスは必ず発生します。

例えば、年間300日営業するとすれば、10~15日はミスしている可能性があるわけです。

作業をマニュアル化することで、ある程度ケアレスミスは減らせますが、ゼロにすることはできません。

唯一の対策は、照合チェックをすることです。

ミスを発見し訂正できる仕組みを作ることが必須なのです。

具体的には、毎日レジを締めた後に、

①実際の現金残高と、レジ精算表や現金出納帳の金額を照合
②不一致があれば、その原因を調べる
③誤っていた箇所を訂正する

という作業が必要になります。

ところが、どんぶり勘定の場合、この照合作業そのものができません。

その結果、

「売上計上が間違っていても分からない」
「分からないから訂正もできない」
「売上が漏れても、そのまま放置」

という状況になるわけです。

 

実際の調査でも現金管理状況から確認される

実際の税務調査では、まず現金の管理状況が確認されます。

これを現金監査と言います。

ある日突然、税務署から調査官がやって来て現金監査が行われます。

前日までの売上や経費から理論上の現金残高をはじき出し、実際の現金残高との照合確認が行われるわけです。

この現金監査の時点で、

①現金残高が合わない

②売上金とプライベートのお金がごちゃ混ぜになっている

といった状況だと、

調査官は「売上が漏れる可能性が高い」という印象を持ちます。

「どんぶり勘定では売上計上が漏れても分からないでしょ!」ということなのです。

現金管理がズサンであるとの印象を持った調査官は、売上を細かく調べ始めます。

とても細かく調べるので、往々にして数件の売上計上漏れが発見されてしまいます。

特に1年分の帳簿をまとめて作っている場合などは、ミスで売上が漏れてしまうケースが多いものです。

調査官が発見した数件の売上漏れだけを修正するのなら、まだ良いのです。

しかし、これだけで話は終わりません。

現金管理がキチンとできていない状況を踏まえて、

他にも売上が漏れているはず!」となり、

推計課税に持ち込まれてしまうケースがあるのです。

 

推計課税の本当の怖さ

推計課税には様々な計算方法があります。

同規模・同業種の利益率などを使ったり、売上が推測できる経費などから逆算する方法など、複数の計算方法で売上を推計するのが一般的だと言われています。

これらの推計計算の結果、多額の売上漏れがあるという指摘を受けてしまうと、対抗する材料を提示できなければ追徴課税になってしまうケースが多いのです。

現金管理が適切にできている状況であれば、反証する余地もあるのですが、

現金管理が疎かになっている場合、推計計算の結果を受け入れざるを得ない状況になることも多いです。

さらに、多額の売上計上漏れがあった場合、ケースによっては青色申告の承認が取消しになることもあります。

そうなると、青色特別控除や専従者給与、特別償却など、青色申告の特典も全て修正対象になってしまいます。

しかも、向う2年間は青色申告に復活することができません

そうなってから、「キチンとしておけば良かった(T_T)」と思っても後の祭りなのです。

もっとも、ここまでフルコースでペナルティを受けることは少ないと思うんですけどね……。

 

まとめ(予防対策)

税務調査で悲惨な状況に陥らないためには、日々の現金残高や売上金を適切に管理する体制を確立することが必要です。

具体的には、それぞれのお店の状況にもよりますが、

①レジを導入し、毎日の精算表とレジ内の現金残高を照

②現金出納帳(日記帳)などの補助帳簿への記帳(記録)

③釣り銭を残し、前日の売上金は事業用の預金口座へ入金

といった流れが一般的でしょうか。

重要なポイントは、

・現金管理帳簿を毎日記帳する習慣を付ける

・仮に記帳ミスがあっても発見できる照合チェック体制を作る

ことで「売上計上が漏れない体制」を確立しておくことです。

しっかりした管理体制が出来ていれば、仮に税務調査を受けても自信をもって対応できるのではないでしょうか。

また、こうした体制作りは、税務調査対策だけでなく従業員等の不正防止にも効果が期待できるのです。

現金を扱う業種においては、日々の現金管理を的確に行うことは必須の業務だと考えるべきでしょう。

 

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