税制改正は毎年のように行われていますが、平成28年分の確定申告から大きく変更になった点と言えば、やはりマイナンバー制度の導入です。

分かり易い点から挙げれば、確定申告書にマイナンバーを記載しなければならなくなりました。

ただ、このマイナンバーを記載するという変更に伴って、いろいろと関連して変更になった部分がありますので、注意が必要です。

 

確定申告書提出の際に本人確認が必要になった

マイナンバーを確定申告書に記載して税務署へ提出するということは、言い換えれば、税務署に自分のマイナンバーを提供するということになります。

税務署側からすると、マイナンバーを取得するということです。

マイナンバー制度の規定では、マイナンバーを取得する際に「本人確認」を義務付けています。

具体的には、マイナンバーカードの提示を受けるなどして、そのマイナンバーがその人のものであることを確実に確認しなければならないこととされているのです。

なお、マイナンバーカードをまだ取得していない人の場合には、マイナンバー通知書と運転免許証など顔写真付きの身分証明書によって本人確認をすることになっています。

問題なのは、確定申告書を税務署に提出する際に、この「本人確認」作業を1人ずつ行う必要があるという点です。

ご存知のように、確定申告時期の税務署には多くの人が押し寄せ長蛇の列が出来上がります。

そんな中で、このような本人確認作業をやっていたのでは長蛇の列は更に長く伸びてしまうことになりますよね。

そこで、国税庁では様々な方策をおこなっているのです。

 

税務署に来させない対策

確定申告の時期になると、税務署が様々な広報活動をして確定申告について周知を図っています。

「確定申告はお早めに!」というシーズン到来を告げるフレーズはお馴染みですね。

この広報活動のフレーズが数年前から少し変化してきました。

「確定申告はイータックスか自分で書いて、郵送で!」

「国税庁ホームページの作成コーナーをご利用ください」

といったものが多く聞かれるようになってきました。

いずれも、申告書は自分で作成してください、そして、イータックスか郵送で送ってくださいね、という意味です。

つまり・・・

税務署には来ないでね、ということです。

先ほども述べたように、マイナンバー導入によって本人確認作業など窓口業務が増大することを受けて、できるだけ納税者の人が税務署に来ないように誘導しているわけです。

昔は確定申告時期になると、商売をしている人の元には「〇月〇日に来署して申告してください」という内容の文書が税務署から届いていました。

かなり昔の話なので、今の状況から考えたら驚くような話なのですが事実です。

これは、できるだけ確定申告の時期に事業者の人と接触し正しい申告を期限内にしてもらおうという考えから行われていたものです。

しかし、税務署に限らず公務員の人員削減で税務職員も大幅に人数が減少したため、このような人海戦術ができなくなってきました。

そこで、数年前からは「自分で書いて、郵送で」というふうに変化していった経緯があるのです。

 

税務署に行かずに確定申告を済ませる方法

ということで、税務署に行かずに申告をすることを税務署も推奨しているわけですから、自分の確定申告も税務署に行かずに済ませる方が良いということです。

確定申告が必要な人というのは、主に事業をしている人や不動産を売った人、2か所以上から給料をもらっている人、400万円以上の年金収入がある人で納税になる人、などです。

他にも、申告の義務はないものの、医療費控除や住宅取得控除を受けるための還付申告をするサラリーマンの人も多いと思います。

事業を行っている人は、会計ソフトなどを使って1年間の取引を記帳しなければいけません。

そして、売上や必要経費を1年分整理して決算書や収支内訳書を作成する必要があります。

ちなみに、税務署の確定申告相談会場では決算書や収支内訳書は書き方を教えてくれる程度で作成を手伝ってはくれませんので、ここまでは自分でやるしかありません。

医療費控除を受ける場合の領収証の整理や集計も自分でやるしかありません。

税務署の確定申告相談会場で対応してくれるのは、あくまでも「確定申告の作成」部分だけです。

しかも、税務署の確定申告相談会場で申告書を作成する際に利用しているのは「国税庁の確定申告書作成コーナー」のシステムと同じソフトです。

つまり、自宅のパソコンで国税庁HPから確定申告書を作成すれば良いわけです。

ただ、イータックスを利用する場合、マイナンバーカードやカードリーダライタ―のほか、電子申告の利用開始手続も必要になるため、初めての人にとってはハードルが高いと思います。

そういう場合には、国税庁の申告書作成コーナーで「書面で提出」を選択して申告書を作成し印刷すれば良いです。

印刷した申告書に必要書類を添付して、管轄の税務署へ郵送すれば、めでたく確定申告手続きは終了です。

 

確定申告書作成コーナーは簡単

国税庁のホームページで申告書が作れるといっても、税金のこととか詳しくないので無理では?と思っている人も多いと思います。

ところが、数年前から作成コーナーの入力方法が改善され質問に答えるだけで申告書が出来上がるという作成方法がリリースされ、初めての人でも簡単に申告書をつくることが可能になりました。

また、自分で入力していく場合でも、源泉徴収票のイメージと入力項目を分かり易く画面表示してくれるなど、初めての人でも比較的簡単に入力できるようになっています。

ちなみに、利用者が行う作業は、源泉徴収票や控除証明書などに記載された金額等を「入力」するだけです。

あとはシステムが勝手に自動計算して所得金額や控除額を算出してくれますので、計算方法を全く知らない人でも申告書が作成できてしまうのです。

ネット環境のあるパソコンをお持ちの方は、是非活用してみてください。以外なほど簡単です。

国税庁の確定申告書作成コーナーはこちら

 

今年から追加された添付書類

先ほども書いたとおり、平成28年分の確定申告書からマイナンバー制度が適用されることになりました。

これに伴って本人確認が必要になったわけですが、先ほどの国税庁HPなどを利用して自分で確定申告書を作って、それを郵送で提出する場合にはどうなるのでしょうか?

税務署の窓口に申告書を持って行くのであれば、マイナンバーカードなどの身分証明書等が必要になるということは前述のとおりです。

実は郵送の場合にも本人確認は必要なんです。

確定申告書を郵送する場合、添付書類を貼り付ける台紙に、マイナンバーカードなどのコピーを貼り付けて提出することとなっていますので、忘れないように注意しましょう。

具合的には

マイナンバーカードを取得している人は、マイナンバーカードの両面をコピーして貼り付けます

マイナンバーカードを未取得の人は、マイナンバー通知書と運転免許証などの顔写真付き身分証明書をコピーして貼り付けることになります。

ついでに言うと、税務署の窓口へ申告書を持参する場合でも、上記のように本人確認書類のコピーを台紙に貼り付けておけば、税務署の窓口での提出がスムーズになります。

確定申告に関する詳細情報は国税庁HPを参照してください
確定申告特集ページ(国税庁)

他にも細かな点で変更がされていますので、簡単に示しておきますね

①口座振替済みの領収証が送付されなくなった

②平成29年分から申告書等の事前送付がされなくなる

いずれも国税庁の予算削減によるものだそうですが、特に②の申告書事前送付が無くなるいたいなので、今年からイータックスや国税庁HPなどを利用して自分で申告書を作成できるようにしておくことが必要かもしれませんね。

 

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