いよいよ平成28年分の所得税の確定申告時期になりました。

ご存知のとおり、所得税の確定申告の期限は毎年3月15日です。

納税の期限も、同じく3月15日となってます。

ただし、この期限は現金で納税する場合の「法定納期限」です。

 

口座振替制度を利用する

すでに利用している人も多いかと思いますが、所得税や個人消費税には口座振替制度というものがあります。

簡単に言うと、申告した人の預金口座から所得税や消費税を指定日に自動で引き落とすというものです。

この制度を利用すれば、わざわざ金融機関や税務署の窓口に出向いて納付手続きをしなくても勝手に口座引落しになるので便利です。

しかも、一度登録しておけば毎年おなじ口座から税金を引き落としてくれます。

さらに、預金口座から税金が引き落とされるのは3月15日ではなく、4月20日ごろになるのです。

口座振替日は毎年変更されますので、その年の口座振替日をよく確認しておきましょう。

詳しくは「国税庁HP」をご確認ください。

口座振替を利用するだけでも、1か月程度は納付までの猶予期間が生まれますので、事業者の方にとって資金繰りの面でメリットがあると思います。

ただし、注意しなければいけないのは、口座振替ができなかった場合のケースです。

口座振替制度は4月20日に実際の納付手続きが行わるものを、法令上3月15日に納付があったものとみなすことで、期限内納付”扱い”にしているものです。

したがって、もしも4月20日に預金残高が不足するなどの理由で税金の引落しができなかった場合、3月16日から延滞税の計算がスタートしてしまうのです。

口座振替を利用される方は、振替日の前日などに預金残高の確認を確実にしておくことをオススメします。

 

さらに延納制度を利用する

さらに納付期限に猶予を設けたい場合には、延納制度を利用するという手もあります。

延納制度は個人消費税には適用されませんので、注意してください。

延納制度とは、確定申告によって納めることになった税金について、法定納期限までに半分以上を納税すれば、残りの税額については5月31日まで納付期限を延長できるというものです。

もしも、口座振替を利用している人であれば、最初に半分以上を4月20日に口座引落しで納付し、残りの半分を5月31日に納付(口座引落しされます)すれば良いということになります。

延納の手続き

所得税の延納の手続きは、実は簡単です。

確定申告書の右半分(税額計算をする欄)の一番下に「延納の届出」という欄がありますので、そこに期限内に納付する税額と延納税額を記入(入力)するだけです。

このとき、期限内に納付する額より延納税額が多くならないように注意しましょう。

 

その他、延納を利用するうえでの注意点です。

①延納できる税額は1000円単位

先ほどから、期限内に納税額の半分以上を納付すれば良いと書いていますが、実際に納税額は100円単位まで計算されます。

しかし、延納できる税額は1000円単位なので、全体の納税額を単純に半分にできないケースがほとんどなのです。

「延納する税額」以上の金額を「期限内に納付する」ようにしなければなりません。

②延納税額には利息がかかる

タイトルには無利息でって書いてあるのですが、実は延納税額には平成28年分所得税の場合には年利1.7%の利子税がかかります。

ただし、計算によって算出された利子税は1000円未満を切り捨てることになっていますので、実質は1000円未満の場合、利子税はかからないということです。

③いくらまでなら利子税は0円?

ということで、利子税がかからない延納税額はいくらなのかを計算してみました。

平成28年分所得税の場合の計算なので、他の年分では計算が異なることにご注意ください。

利子税の計算期間は3月16日から5月31日までの77日間です。

【計算式】
1,000円÷1.7%÷77日/365日
=約278,838円

さらに、利子税の計算基礎となる税額は1万円未満の端数を切り捨てますので。

27万円台までは利子税が1000円未満になるということです。

具体的には、延納額279,000円までは利子税0円です。

もちろん、半分以上の税額は期限内に納付しないといけませんので、そこはご注意ください。

④延納くずれに注意しましょう

一番注意して欲しいのがコレです。延納くずれ。

延納が成立するためには、次の2つの条件をクリアしなければいけません。

1 確定申告書で納税額の半分以下の額を延納届出する

2 納税額の半分以上を期限内に納付する

ここまでが完了した時点で、めでたく延納成立となります。

1の申告書への記入については、そもそもの話なので別としても、2の期限内納付が問題なんですね。

例えば口座振替の場合、4月20日に納税額の半分以上の税額(届出額)の振替ができなかった場合、延納そのものが不成立になってしまうのです。

そうなった場合、延納届出は無かったものとなり、納税額全体に対して3月16日から延滞税の計算がスタートしてしまいます。

延納制度が利用できる条件は、届出&期限内納付の2つだということに十分注意していただき、4月20日の口座振替日には預金残高を確認するなど、振替不能にならないような確認が必要です。

 

口座振替制度と延納制度を上手に利用して納付時期を先送りできれば、少しは資金繰りにメリットがあるのではないでしょうか。

なお、この記事に示した計算式、金額及び日付けなどは、平成28年分の所得税確定申告期限内に申告した場合を想定して記載していますので、条件が異なる場合には計算等が異なりますのでご注意ください。

 

Caution
※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
実際の解釈や適用に当たっては必ずご自身の責任のもとで再確認等をお願いいたします。


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