昨年から導入されたマイナンバー制度ですが、実質的には今年(平成29年)から実務的な部分がでてきました。

しかし、専門的な用語で説明された情報が多く分かりずらいので、今回はマイナンバーの実務的な部分を超簡単に書いてみました。

小難しい表現はできるだけ避けたつもりですが、なにぶん法律が絡む話なので分かりずらい部分があるかもしれません。私の文章力の限界ということでご容赦ください。

 

 

なぜ事業者はマイナンバーを入手しなければならないのか?

マイナンバーを一言で表現すれば、税や社会保障、災害対策に利用される国民全員に与えられた個人番号のことです。

事業をおこなううえで、従業員に給与を支払ったり、取引先に報酬や家賃を支払うケースがあります。

こういった支出については「法定調書」や「支払報告書」を税務署や市区町村に提出しなければならないことになっています。

これらの調書や報告書は「税に関する資料」であることから、マイナンバーの記載が義務付けられています。

したがって、法人はもちろん個人事業主であっても、給与や報酬などの支払いがあればマイナンバーを従業員や取引先から入手しなければならないのです。

 

マイナンバーの入手方法はややこしい

マイナンバー実務でややこしいのは、マイナンバーの入手方法管理方法です。

そこで、マイナンバーの入手方法と管理方法を簡単にまとめてみました。

 

マイナンバーの一般的な入手方法

従業員や取引先からマイナンバーを入手する際に確認する項目を簡単に説明すれば次の3つになります。

個人番号(マイナンバー)を確認する

本人情報(氏名・住所・生年月日)を確認する

・顔写真付き身分証明書で本人確認をする

これら3つの確認によって、提供を受ける番号が本人のもので間違いないことを確認しなければならないのです。

以下、具体的な確認方法を示しておきます。

 

①マイナンバーカードの提示

最も簡単な方法で、本人からマイナンバーカードの提示を受け、必要に応じてコピーを取っておくというものです。

マイナンバーカードには、個人番号のほかに、氏名・住所・生年月日などの情報と併せて、本人の顔写真もありますので、これ1枚で本人確認番号確認の両方が1度に済んでしまいます。

 

②マイナンバーカードを取得していない人の場合

マイナンバーカードを取得していない人からマイナンバーを取得する場合、「個人番号通知書(マイナンバー通知カード)」と「顔写真付き身分証明書」の2つの資料を提供してもらうことになります。

マイナンバー通知カードには顔写真が入っていないためで、上に述べた3つの確認のために運転免許証など顔写真付きの身分証明書で本人確認が必要になるのです。

以下、具体的なケースに分けて説明します。

 

給与を支給している事業者

給与を支給している場合、給与支払報告書(市役所へ提出)や源泉徴収票(税務署提出分)に、従業員本人や扶養親族のマイナンバーを記載しなければなりません。

また、雇用保険資格取得証など社会保険関係書類にもマイナンバーの記載が必要なものがあります。

したがって、正社員だけでなくアルバイトやパートからもマイナンバーの取得が必要です。

※従業員本人に交付する源泉徴収票にはマイナンバーは記載しません。

 

従業員からの具体的な入手方法

年に1回、年末調整などの時期に提出してもらう「扶養控除等申告書」にマイナンバーを記載してもらう方法が一般的です。

扶養控除等申告書には扶養親族のマイナンバーを記載する欄もあります。

扶養控除申告書の提出に併せてマイナンバーカードのコピーも提出してもらえば従業員からスムーズにマイナンバーを取得することができます。

なお、マイナンバーは原則として一生涯変更されることはありませんので、従業員からマイナンバーを入手するのは1度きりです。(扶養控除申告書にマイナンバーを記載してもらうのも1回きりです)

また、入社時に身分証明書などによって既に本人確認が済んでいる場合には、マイナンバー取得時に改めて本人確認書類(身分証明書など)の提示を受ける必要はありません。

 

報酬の支払いがある事業者

弁護士や税理士、司法書士や社会保険労務士など、いわゆる「士業」に対する報酬や、設計料など源泉徴収が必要な報酬料金を支払っている場合にも、マイナンバーの取得が必要になる場合があります。

これらの報酬料金については、同一人にする年間支払額が5万円を超えるなど規定金額以上の支払いがされた場合「報酬料金の支払調書」を税務署に提出することとなっています。

この「報酬料金の支払調書」を税務署へ提出する際にマイナンバーの記載が必要になってきます。

具体的には、相手先にマイナンバー提供の文書を送るなどしてマイナンバーカードのコピー(又は個人番号通知書及び身分証明書のコピー)の提供を受けることになります。

なお、本人に交付する支払調書にはマイナンバーは記載しませんので、税務署提出基準に達していない支払先についてはマイナンバーの取得は不要です。

 

不動産使用料の支払いがある事業者

給与や報酬以外でマイナンバーが必要になるケースといえば、不動産使用料の支払調書です。

不動産使用料とは、分かり易く言えば、家賃や地代のことです。

この不動産使用料のについては、①個人の家主に対して、②年間15万円を超える支払いがあった場合に、法定調書を税務署へ提出することとなっています。

報酬の場合と同様に税務署へ提出する法定調書にはマイナンバーを記載しなければならないので、該当の取引先からマイナンバーを取得する必要がでてきます。

※法定調書の提出基準について、詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。

 

マイナンバーの保管と管理について

マイナンバーの実務において、取得方法と同じくらい神経を使うのが「保管と管理」です。

ここまでを読んでいただくと分かるとおり、マイナンバー取得の際には多くの個人情報を入手することになります。

これらの個人情報が外部に漏れたり、あるいは誤った個人番号を取得し利用したりすれば、社会的な問題になることも想定されます。

そこでマイナンバーを取り扱う事業者には、その保管や管理について法律で厳格な取り扱いが規定されているのです。

マイナンバー取得の際に入手した、マイナンバーカードや身分証明書のコピーなど、「個人情報」の記載された資料の保管方法が重要になってきます。

 

資料の保管と管理方法

専門サイトでは細々と書いてあるのですが、分かりづらいので簡単に書きます。

要は、金庫で保管するなどして、「誰でも簡単に見る」ということが出来ない環境に保管しなければならないのです。

金庫の置き場所も、外部の人が出入りできないような場所でなければなりません。

また、いくら金庫に入っているからと言っても、その鍵が事務所の壁にかけられているなど、誰でも自由に開閉できる状況ではダメなのです。

資料や情報の「保管方法」というより「管理方法」と表現する方が分かり易いかと思います。

法定調書の作成などでマイナンバーを利用する場合にも、責任ある立場の人が必ず利用状況を確認するなどの措置も必要になってきます。

 

マイナンバー管理の具体例

マイナンバー関係資料の管理方法について、一例を挙げておきますので参考にしてください。

①社長又は特定の役員以外には開けることのできない金庫にマイナンバー関係資料を保管。

②従業員が事務処理でマイナンバーを利用する場合、責任者(社長か役員)が利用を許可し、利用状況を確認する仕組み(マニュアル)にする。

③マイナンバー利用のための社内規定を策定しておく。

これら①~③の措置を講じておく。という一例でした。

 

なぜ、ここまで厳格なのか?

なぜ、ここまで厳格な取り扱いになっているのかと言えば、情報漏えいを防止するためです。

マイナンバー法によれば、マイナンバーの利用は税と社会保障と災害対策に限ることとされています。

つまり、マイナンバーだけが外部に漏れたところで、実は個人情報が悪用される恐れというのは少ないのです。

ただ、マイナンバー取得時の手続きを厳格化したため、その取得をする事業者がマイナンバーに関連する個人情報の多くを保有することになってしまいました。

問題なのは、これらの関連情報とともにマイナンバーが流出することなのです。

このような情報漏えいを防止するために、マイナンバー取り扱い者に対し厳格な管理規定を設けたわけです。

つまり…

もしもマイナンバー関連で個人情報が流出したら、その責任は「あなた」にあるんですよ!って言いたいわけです。

これまでの個人情報保護法とは少し趣の異なるものだと考えておく方が良いでしょう。

いずれにしても、マイナンバー管理の責任は事業者に委ねられている部分が多いので、厳格に厳重に管理をしておく必要があると言えます。

 

最近の保管管理方法の傾向

最近のマイナンバー対策の傾向としては、管理が大変なので「自分の会社で情報を持たない」という形も増えています。

具体的には、マイナンバー管理サービスを提供する業者にデータの保管と管理を任せてしまい、提供されたソフトを使って必要なときにだけマイナンバーを利用するうというものです。

当然セキュリティIDが設定できるので、利用権限のある人しかマイナンバーを使用することができない仕組みとなっています。

データの保管管理についても、暗号化やファイアウォールなどの強力なセキュリティに守られたサーバーに保管されるので、自社の金庫で保管するよりも安心感があります。

このようなサービスについては、専門業者が提供しているもののほか、クラウド会計ソフトに付帯する形で提供されているものもあります。

ちなみにfreeeにもマイナンバー管理が付属しています。(注:ライト以上のプランを利用する場合)

 

Caution
※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
実際の解釈や適用に当たっては必ずご自身の責任のもとで再確認等をお願いいたします。


お知らせ


山口県防府市の天河税理士事務所からのお知らせです。

事業を継続し発展させるためには、経営者が事業に専念する時間の確保が重要です。

悩んだり迷ったりしている時間を、経営や営業に使ってください。

当事務所は地元企業の経営者に寄り添い、税務会計を中心にサポートしています。

また、創業して間もない企業やSOHOビジネスの支援にも積極的に取り組んでいます。

税務や経理でお悩みの方は、お気軽にお問い合せください。

※対応エリア~山口県中央部を主体に県内事業者の方に対応いたします。



電話受付9:00~17:00(土日休日除く)


事務所詳細はTOPページへ