こんにちは、税理士の天河(あまかわ)です

今回は、消費税の仕組みについて書いていきます

基本的な仕組みを理解しておくと、今後の節税や改正に対応しやすくなりますよ

 

消費税のしくみ

所得税や法人税といった税金は、人や法人の「所得」つまり「儲け」に課税するしくみです

儲けが多い人に税金を納めてもらって、儲けのない人は税金を納めなくてもよいという「差」によって「富の再分配」を果たしているといえます

消費税は「消費」に課税するしくみです

ここで理解しておかないといけないのは、どんな取引に消費税がかかるのかということ

消費税法で、消費税の課税対象は次のように規定されています

「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入」

分かりやすくするために分解して説明します

 

①国内において

消費税は日本独自の税制なので、日本の国内において行われた取引に課税されるもので、日本人が海外で取引しても消費税は課税されません
あくまでも、どこで取引が行われたかがポイントになります

 

②事業者が

例えばサラリーマン(事業者でない人)が友達に中古バイクを個人的に売った場合などは消費税はかからないのです

 

③事業として

個人で商店を営んでいる人であっても、上記②の例のような「個人的取引」については消費税はかからないです

 

④対価を得て行う

消費税の課税標準(どの金額に消費税率を掛けるか)が「対価の額」なので、無償(タダ)で物を売ったら消費税はかかりません

 

⑤資産の譲渡

ここでいう資産というのは土地や建物などの資産ではなく、もっと広い意味の資産です
したがって、商品、製品などあらゆる物品の販売が含まれます

 

⑥資産の貸付

ここでいう資産も上記⑤の資産と同様です
譲渡(売却)だけでなく貸し付けてお金をもらったら消費税が課税されます

 

⑦役務の提供

物を売る(譲渡)ばかりが商売ではありませんので、サービス業のようにお金をもらって何らかのサービスを提供しても消費税の課税対象になります

 

⑧外国貨物の輸入

上記①に書いたとおり「国内で行われる取引」が課税対象になるのですが、海外から日本に輸入した場合には、輸入したときに消費税が課税されます

 

流通税という性格

消費税は流通税という性格があります

流通のそれぞれの段階で、商品などが販売される都度、その販売価格に消費税が上乗せされていきますので、最終的には消費者が消費税の負担者になります

【例えば】

生産者 = 納税額80円
↓1000円(消費税80円)
卸売業者 = 納税額8円
↓1100円(消費税88円)
小売業者 = 納税額32円
↓1500円(消費税120円)
消費者

※消費税8%で計算した例示です

生産者から小売業者までの納税額の合計は120円です
(生産者80円+卸売業者8円+小売業者32円)

この消費税120円を実質的に負担しているのは消費者となるわけです

消費税法では、納税義務者(消費税を申告して納税する人)は事業を行っている個人や法人になりますが、消費税の負担をしているのは消費者になるのです

上の例示でいくと、生産者、卸売業者、小売業者が納税義務者になります

 

消費税の税率

消費税の税率って知ってますか?

正式には8%ではないのです(結果的に8%なんですけど)

一般的にいう「消費税」というのは、実はふたつの税目をあわせたものなのです

国税庁のHPなんかを見ると「消費税」と表記されているのはこのためなんですね

法律上の「消費税」というのは、国税としての消費税のことだけになり、その税率は6.3%です

そして、もうひとつ「地方消費税」というのがあって

この地方消費税の税率は、消費税(国税)の63分の17(消費税等の税率に換算すると1.7%)なのです

これらを合わせたところで、消費税の税率が8%というわけなのです

※ 平成31年10月1日から消費税等の税率(地方消費税率を含む)は10%になります

 

消費税の納付税額の計算

事業者が納付する消費税額の計算方法は、ざっくり言うと

課税売上に係る消費税額から、課税仕入に含まれる消費税額を差し引いて計算します

ただ、売上や仕入にかかる消費税を拾い集めるのは手作業では無理な話です

そこで、ほとんどの事業者は会計ソフトなどを利用して経理をおこなっています

しかし小規模事業者にパソコンや会計ソフトを購入しなさいというのも酷なので、いくつかの負担軽減策がとられています

そのひとつが「免税事業者」という制度

これは、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則としてその課税期間の納税義務が免除されるという制度です
※ 基準期間の課税売上が1千万円以下であっても免税事業者にならないケースがありますので注意

基準期間というのは、個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度ことです

もうひとつの軽減策が「簡易課税制度」です

これは、前述の計算式に示した「仕入れに含まれる消費税額」を実額ではなく簡易な計算方法で算出するというものです

具体的には、課税売上げに対する消費税額に「一定のみなし仕入率」を掛けて計算した金額を「仕入にかかる税額」とみなすというものです

みなし仕入率

第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等)70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%
第六種事業(不動産業)40%
※平成27.4.1以後開始する課税期間から改正されています

この方法をとれば、事業者は売上に係る消費税だけを計算すればよいので、申告計算が簡単になります

注意して欲しいのは、この簡易課税制度というのが、あくまでも「申告手続きを簡略化するため」の制度であるということです

取引の状況によっては、簡易課税のほうが納税額が多くなるケースもあるので、簡易課税を選択する際には事前の検討が必要です

また、多額の設備投資をした場合には、売上にかかる消費税から設備費用にかかった消費税を全て税額控除することができないというデメリットもあるので注意しましょう

 

できるだけ分かりやすく書いたつもりですが、元が「法律」なだけに、この辺が限界ですm(__)m

今後の消費税改正などの参考としていただければ幸いです

 

Caution
※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
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