こんにちは、税理士の天河(あまかわ)です

消費税増税時の軽減税率適用品目について、どうやら公明党案でいきそうな雰囲気になってきました

今回は、軽減税率について書いてみました

 

軽減税率への反対意見

平成29年4月1日平成31年10月1日から消費税率が10%に引き上げられる予定です
※消費税率引き上げは時期は平成31年10月1日に延期となりました

そのときに軽減税率を導入するということになっているわけですが・・・

そもそも論になりますが、事業者側から考えた場合、軽減税率の導入には反対なわけです

税率が変更になるだけでも、レジの設定を変更しなければならないなど大変な作業です

また、値札の問題についても、今は経過措置という特例で「税抜き価格での表示」が特別に認められていますが、価格表示の原則は「税込表示」になっているわけでして

いずれは、10%の商品と8%(軽減税率)の商品を区分して消費税を計算したうえで価格表示をしなければいけないということになります

私たち税理士は、主に事業者の方と接する機会が多いので、軽減税率導入には賛成しきれないところなのです

合理的なのは、給付金制度だと思うのですが、当初の財務省案(給付金制度)があまりにも非現実的なものだったので残念です

そんなわけで、軽減税率には反対という意見なのですが、そうは言っても政府与党は軽減税率導入で話を進めているので、今さら給付金制度なんかに変更される見込みはありません

 

自公の軽減税率の違い

軽減税率導入にむけて自民・公明の両党で協議がすすめられていますが、対象品目の範囲でもめてます

自民党は、財源確保を優先すべきとの考えから「生鮮食品」に限って軽減税率を適用したい考え

一方、公明党は、低所得者層への配慮を優先し「食料品全部」を軽減税率の対象品目にしたいのです

公明党が粘っている背景には「選挙公約」があります

国民(支持者)に約束した以上、絶対に公約ははたさなければならないというわけです

公明党としては、「本当は反対したかった安保改正法」に賛成したのだから、軽減税率は公明党案でいってほしいという思いもあるようです

しかし、今回の消費税増税分は社会保障に全て充てるものなので、自民党としては財源不足を理由に、できるだけ軽減税率の対象品目を絞り込みたい考えなのです

消費税増税分は社会保障費に充てられることになっているということは、軽減税率で減少する消費税の税収分は他の部分から予算措置をしなければならないということ

つまり、軽減税率の範囲を広げれば、その分は「他の予算」を削って社会保障費に充てたのと同じ結果になるわけです

当初、軽減税率導入での税収減は約4千億円を見込まれていました

しかし、公明党案の食品全てに軽減税率を導入した場合、約1兆円の税収減になり、そのための予算確保策を考えなくてはならなくなります

今朝のニュースでは、公明党案でいきそうな感じになっています

現在、お菓子や酒類を対象品目に含めるかどうかや、外食は軽減税率対象外にするかなど、細かい検討になっているようです

選挙が近くなっていることもあるでしょうし、税制改正大綱を発表する時期も迫っていて、両党とも「焦って決着」という感じにならなければいいのですが

マイナンバー導入のときも、「とりあえずマイナンバー制度だけ成立させて、あとから細かいことはやろう」みたな感じもあったので・・・

今回の軽減税率のような複数税率はヨーロッパなどでも導入していて、食料品は非課税という国もあります

しかし、これらの国の間接税は、もともと日本の「物品税」から派生したものが多いのです

物品税では、課税品目を決めるというやりかたになりますので、消費税のように「原則、全部課税」の中から非課税品目や軽減品目を決めるというやり方とは根本的に仕組みが違うのです

日本では、平成元年の消費税導入時に「物品税」を廃止してから27年もたってしまいました

いまさら、消費税を物品税のようにすることは難しいようにも思うのです

 

物品税と消費税の違い

物品税というのは、ざっくり説明すると、その物品を製造し「出荷」した段階で課税する仕組みです

したがって、製造業者が申告と納税をします

そして、この製造業者で課税された物品税が価格に転嫁されて商品が流通していくという仕組みです

一方、消費税は「消費した時点」に課税するという考え方なので、消費税を負担するのは「買った人」になり、消費税を納税するのは「売った人」になるわけです

一般的な流れで、商品は「製造→卸売→小売→消費者」と流れます

製造業者は「売った人」=消費税を納税する

卸売・小売業者は、「買った人」であり「売った人」になるので、実質は利益部分に係る消費税を納税することになります

消費者は、「買った人」なので、消費税は負担してますが消費税の納税者にはなりません

こうやって見てみると、税制改正などがあった場合、物品税より消費税のほうが影響を受ける人が多いということがわかると思います

大規模法人を対象にした法人税実効税率引き下げが行われる中で、中小企業への負担増が懸念されます

今後、消費税が我が国の中心的な税目になることが予想されているなか、その場しのぎのような決め方で改正して欲しくないものですし、消費者や中小企業への影響を十分に考えたうえでの改正を期待したい

というのが私の個人的な意見です

 

Caution
※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
実際の解釈や適用に当たっては必ずご自身の責任のもとで再確認等をお願いいたします。


お知らせ


山口県防府市の天河税理士事務所からのお知らせです。

事業を継続し発展させるためには、経営者が事業に専念する時間の確保が重要です。

悩んだり迷ったりしている時間を、経営や営業に使ってください。

当事務所は地元企業の経営者に寄り添い、税務会計を中心にサポートしています。

また、創業して間もない企業やSOHOビジネスの支援にも積極的に取り組んでいます。

税務や経理でお悩みの方は、お気軽にお問い合せください。

※対応エリア~山口県中央部を主体に県内事業者の方に対応いたします。



電話受付9:00~17:00(土日休日除く)


事務所詳細はTOPページへ