こんにちは、税理士の天河(あまかわ)です

ご存知の方も多いと思いますが、税理士には得意分野と不得意分野があります

といっても、会計や決算処理、所得税の申告といった基本的なスキルには、ほとんど差はありません

差が出るスキルは

①税務調査対策
②相続・贈与などの資産課税関係
③法人税に関する知識

この3つくらいでしょうか

税理士を選ぶ場合の参考になれば幸いです

 

①税務調査対策

一般的に、よく「国税OBは税務調査に強い」といわれています

しかし、国税OBだからといって全員が税務調査に強いわけではありません

国税時代に何を担当していたのかによって、スキルに差が出ます

中には、税務調査経験がほとんど無いまま税理士になった人もいます

税務調査対策は経験が物を言う分野なので、税理士を選ぶ際には押さえておきたいポイントです

税務調査経験の豊富な人は、調査官の質問の意図や、税務調査の本当の目的などを的確に見抜く力を持っています

的確な税務調査対策をとることで、早期に調査を終わらせたり、事前の調査対応準備も的確にとってくれるので、調査に対する不安を軽減してくれます

 

②資産税関係

資産税関係に特化した税理士というのは、限られた存在だと言えます

資産税関係の業務で、最も特殊な能力を必要とする分野は財産評価です

贈与税や相続税の申告手続きにおいて最も厄介なのも「財産評価」です

現金預金など、金額がはっきりしている財産は評価する必要がないのですが、土地や株式といった財産は「評価額」を計算する必要があります

この財産評価の作業の中に「評価額を下げる」という作業があります

できるだけ評価額を低くできれば節税につながりますので、税理士の腕の見せ所ともいえます

広大な土地なんかだと、評価方法によっては評価額に数千万円の差がでることもあります

少々お高い税理士報酬を支払っても、お釣りがくる場合も多いのです

ただし、こういった「相続・贈与専門」の税理士は、法人の申告が苦手だったりします

これは、その税理士が勉強不足というわけではありません

相続や贈与といった、資産税関係の取り扱いは非常に特殊で、専門知識を要するケースが多いのです

したがって、後述する法人税なんかと掛け持ちで身に付くほど、簡単なものではないということなんですね

実際、一般的な税理士は、財産評価なんかを相続専門の税理士に外注しているケースも多いのです

それだけ、専門知識や経験が必要な業務だということです

とはいうものの、普通の税理士は相続税の知識はあります(当たり前ですね)

よほど特殊なケースや多額の遺産(3億円以上)の場合でないかぎりは、あえて相続専門の税理士を探す必要はないかもしれません

 

③法人税関係

こちらも、ある程度の知識と経験が必要な分野です

法人経営の場合、法人税法以外にも関係法令が山ほど関わってきます

単純に法人税の申告書が作成できるだけでは、十分とは言えないのです

もちろん、他の士業の業務を犯すわけにはいかないので、司法書士や行政書士、社会保険労務士などが所掌する業務に税理士が手を出すことはできません

しかし、だからといって何も知らないというわけにもいきませんよね

法人の顧問先に十分なサービスを提供するためには、やはり知識と豊富な経験が必要だと言えます

個人事業者の場合だと、青色決算書と申告書が作成できれば、ある程度は対応できます

それこそ、世の中のフリーランスの多くは、帳簿から決算・申告まで自分一人でやっているという人も多くいますので、もともと所得税はそんなに複雑ではないのです

しかし、法人の場合
・原則として複式簿記で記帳
・損益計算書と貸借対照表の作成
・株主資本等変動計算書の作成
・場合によってはキャッシュフロー計算書も作成
が必要です

さらに、法人税申告業務では
・別表1以下、数十種類の別表を必要に応じて作成
・勘定科目の内訳明細書も作成
・事業概況説明書も作成
・適用額明細書も作成
が必要です

という具合に、専門的な書類を山ほど作成しなくてはいけません

とてもじゃないけど、素人には無理、というか税理士でも専門知識の無い人には無理です

また、法人税法では事業規模(資本金額や従業員数)に応じて取り扱いが異なる規定が多いのも特徴です

これらの細かい規定をチェックしながら、間違えないように申告書を作成しなければいけません

節税方法も、個人事業者に比べて沢山あります

しかし、裏を返せば「一歩間違えると、課税漏れや脱税」になるリスクもあるということです

機械的に申告書を作ったりしていると、思わぬ間違いを犯してしますケースもあります

ソフトを使って作成した申告書でも、手計算でチェックするという税理士もいて、ソフトのバグを発見したという人もいました

それだけ専門的で難しいのが法人税の申告書だといえます

さらにさらに

法人の場合、業種によっては専門的な会計処理も必要になります

例えば、医療法人の収入計上方法とか、建設業者の工事原価管理とか、製造業などの製造原価管理とか

会計規則にそのまま当てはめて杓子定規に処理すれば問題はないのですが、それでは経理の合理化や効率化を図ることができず、経理担当者は残業の雨あられになるかもしれません

どこを押さえるべきで、どこは省いてもいいのかというノウハウは経験がないと判断できないものです

こういったポイントの抑え方というのもスキルのひとつだと言えます

 

それにしても…

相続税や法人税って、なぜこんなに複雑なんでしょうね

ここまで複雑にする必要があるのかな?と疑問に思います

まあ、そのおかげで税理士という仕事が成り立っているようなものなのですが(笑)

 

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※ 記事中に記載した法令や情報は執筆時点のものです。その後の改正や変更等で取扱いが変わっている場合があります。
また、読む方のために分かり易い表現で記述しており、著者の個人的見解も多く含まれていますので、前提条件などによっては記事内容の取り扱いと異なる結果になるケースもあります。
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