利益追求って言ってますが、それって本当に会社のためになっていますか?
こんにちは、税理士の天河(あまかわ)です
よく「損して得とれ」と言われていますが、この言葉のもつ意味は皆さんご存知だと思います
今は一時的に損であっても将来の利益につながる(可能性がある)というもので、先見性を持つことの重要性を言い表している言葉です
目先の損得ばかりに気を取られ、将来の大きな利益を失っていませんか?
なぜこんなことを記事にしようと思ったかというと、私自身の身に起こった「あること」がきっかけなのです
その「あること」というのは、妻の一言
なんでもない日常会話の中で、妻が「今年の収入ってどのくらい?」と尋ねてきました
私は事務所を立ち上げたばかりのタイミングだったので収入はほとんどゼロに近い状態だったのです
私としては長いスパンで事務所の将来像とかを考えていて、ある程度のビジョンもあって着々と目標に向かって準備を進めていたわけなのですが、周囲の人間からすれば「収入はどうなってるの?」という疑問が湧くのも当然なのですね
確かに目先の収入を得る方法は色々あるので、そちらに流れれば収入への不安は解消するかもしれません
でも、それをすると自分の描いている将来像から遠のくことになるのです
そうなると目先の収入は得られるけど、将来は損をすることになります
こういうことって事業をしていると結構ありますよね?
自社で独自の商品開発をして特許を取って将来は・・・と考えて日々開発に邁進するのか?
大手の下請けで注文を受けた商品だけを作って安定収入を得るのか?
悩ましいところです
吉田松陰の言葉に
君子は何事に臨んでも、それが道理に合っているか否かと考えて、その上で行動する。小人は何事に臨んでも、それが利益になるか否かと考えて、その上で行動する
というのがあります
これだけ読むと、大手の下請けなんかしてる場合じゃないぞ!ってことになるのですが
ちょっと待たれよ!!
重要なのは「道理に合っているかどうか」なのです
単純に「目先の利益」だけにとらわれてはいけないという話であって、 その下請仕事が自分の道理にあっているのならば請け負ってもいいわけです
多少は自社開発のスピードが落ちるかもしれないけど開発費の調達のために必要だとか、他社の製品を作ることで違った技術や手法を知ることができるとか、いろいろメリットはあるわけです
大切なのは、自分が自分の目標に向かっているかどうかです
私の場合の話をもう少しします
私が税理士事務所を立ち上げたきっかけは防府市内にある商店街がシャッター街になっている現状を見たからです
この状況をなんとかできないものか?自分に何かできることはないのか?と考えて
たまたま税理士資格を持っていたので「これを使って何か役立つことをしよう!」という思いになったのです
つまり、税理士がやりたかったというよりは地元の役に立つような仕事がしたい!そのためには税理士という肩書があった方がいいかも?という感じです
そういうわけなので、目先の収入のための「本意でない請負仕事」には抵抗を感じていたのです
わがままといえば、わがままなのですけどね・・・
いずれにしても、将来像やビジョンを大切にすることは重要で、それを意識することが「仕事を長く楽しく続けるコツ」ではないでしょうか
目先の損得に左右されない「ブレない経営理念」を持つことが重要なのです
最後にもうひとつ
タレントの所ジョージさんが言ってた言葉を紹介します
「最近の人は、すぐに損したとか得したとか言うけど、人に必要なのは『徳』だよね」
「損して『徳』取れ」ですね
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