【保存版】よくある複合仕訳の処理方法と仕訳の例示

簿記や会計の資格を持っている人にとっては何でもないようなことでも、そうでない人には複雑に感じてしまうのが複合仕訳です。

複合仕訳とは
ひとつの取引に対して複数の勘定科目が発生する場合の会計処理(仕訳処理)のことです、

 

今回は、そんな複合仕訳のなかでも発生頻度の多いものをパターン別に紹介しますので、今後の会計処理の参考にしてください。

 

給与や賞与の複合仕訳

毎月のように定期的に発生する会計処理であるにも関わらず、勘定科目が複合してしまうのが給与関係の仕訳です。

【設例】

今月の従業員給与の総支給額が5人分で150万円だったとします。

給与とは別に通勤手当を1人1万円づつ支給します。

給与の支給は全員現金支給とします。

給与から天引きされるものは、以下のとおり。
(注)設例なので所得税や社会保険料などの金額は法定のものとは異なります。
①源泉所得税が5人で2万5千円
②社会保険料が5人で5万円
③3人分の社宅家賃9万円

以上の内容を仕訳すると…

【金額単位は千円】

借方 貸方
給与手当   1500 現金        1385
福利厚生費  50 源泉預り金   25
社保預り金   50
家賃収入      90

ややこしいですね。(笑)

会計ソフトによっては給与計算ソフトのデータから会計仕訳を連動作成してくれるものもあります。

 

士業の報酬は源泉徴収がある

税理士報酬や司法書士報酬など「士業」に支払う報酬料金は源泉所得税を天引きして支払うケースが多いです。

この場合も、給与の場合と同様に複合仕訳が必要になります。

【設例】

税理士報酬10万円の支払に際し、源泉所得税1万円を天引きして現金で支払った。

借方 貸方
支払手数料 100 現金  90
預り金 10

現金出納帳や預金通帳だけを見て仕訳をすると間違ってしまうので注意が必要です。

一般的に士業の報酬は請求書などで源泉所得税などを表示しているケースが多いので、そういった資料に基づいて会計処理をするようにしましょう。

他にも、司法書士報酬の場合などは登記費用(印紙代)など立替払いされた費用の精算部分も含まれているケースがあります。

例えば、司法書士報酬10万円、源泉所得税1万円、印紙立替分4万円という請求の場合、

借方 貸方
支払手数料 100 現 金  130
租税公課    40 預り金  10

となり、行政書士などが立て替えた経費は、それぞれ該当する経費科目で処理しなければならなくなります。

 

借入金の返済(償還)

借入金の返済についても元金と利息を一緒に支払っているため複合仕訳が必要になります。

誤って返済額全部を経費にしたり、逆に返済額全部を借入金から減額しないように注意しましょう。

【設例】

借入返済5万円が普通預金から引き落とされました。内訳は元金4万円、利息1万円です。

借方 貸方
借入金  40 預金 50
支払利息 10

内訳は借入償還表や返済一覧表などの資料から確認することとなります。

また、決算時には借入金残高のチェックをし、もしも残高が不一致となる場合には、上記の内訳金額が間違っていると考えられますので、チェックして訂正する必要があります。

 

売上金の入金時の振込手数料

得意先によっては売上金を入金するときに振込手数料を差し引いて振込んでくるところが多いのではないでしょうか。

この場合、売上から差引かれた振込手数料は売上値引として処理することとなります。

【設例】

①当月の売上100千円を得意先に請求

②翌月、得意先から売上金の入金があったが、振り込み手数料千円を差し引いて入金された

 

仕訳①

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

仕訳②

借方 貸方
預 金  99 売掛金 100
売上値引 1

 

まとめ

会計処理が分かりづらかったり、処理に時間がかかるのは、上記のような複合仕訳が主な原因だと考えられます。

freeeなどの会計ソフトでは取引テンプレートを登録しておけば、定期的に発生する複合仕訳を簡単に処理することができるのですが、まずは基本的な会計仕訳を理解しておくことも大切だと考えます。

簿記や会計について詳しくない方や、営業が忙しくて経理や会計をする時間が無いという方は、税理士や会計事務所に帳簿作成を依頼するというのも、ひとつの考え方です。

もちろん費用は掛かってしまいますが、事業に活用できる時間を確保できればビジネスの発展や収益向上にもつながるのではないでしょうか。

 

 

【コラム投稿に関する注意点】

コラム(税理士の日記)に投稿された内容は、執筆当時の法令や情報等に基づいており、前提条件を限定した内容となっています。

安易にそのまま適用されることのないよう、お願いいたします。

実際の税務や会計の処理にあたっては、最新の法令やご自身の条件を検討のうえ、不明な点は専門家等へ個別にご相談してください。