物が売れる方法を考える~消費者ニーズを知ることの重要性

こんにちは、税理士の天河(あまかわ)です

デフレ脱却とか、いろいろと云われていますが、なかなか景気の好転は感じられません

年末が近くなっていることもあって、街の商店街には「SALE!」とか「割引!」のロゴが躍っています

しかし、商店街にある小さな店が、大型量販店と同じような安売りをしていたのでは勝負になりません

かといって、定価販売では安売り店にお客が流れてしまいます

そんな「小さな商店」が勝負する方法について考えてみました

大型チェーン店と「まちの商店」の決定的な違いは、価格差だけではありません

いちばんの決定的な違いは「品揃え」なのです

セブンイレブンなどのコンビニエンスストアが、定価販売であるにも関わらず多くの集客に成功しているのは、品揃えが良いからと言えます

しかし、コンビニエンスストアの店舗は、けして大きくありませんし品数も多くありませんよね

なぜ、コンビニエンスストアに人は集まるのか?

それは、消費者の「ニーズ」を的確に捉えているからなのです

ご存知の通り、大手コンビニでは高性能のPOSレジを導入し、客層、商品の売行きなどをデータ化して、時間別や季節ごとに分析し「今、売れると思われる商品」を店頭に並べます

利用されるデータは、1店舗だけのものではなく、全国数千~1万店舗で収集されたビッグデータなので、季節商品などの予想はほぼ的中します

一方、大型店でもビッグデータを活用しているものの、基本的には「大量の商品を陳列する」という物量作戦で、様々なニーズの消費者を取り込む方法が主流となっています

こういった「大量陳列」という方法は、消費者の「これもついでに買っとくか」という衝動買いをも引き起こす効果があるのです

ただし、この方法は、大きな売り場と大きな資金力を持つ、大型量販店だけが実現可能な方法だと考えるべきで、商店街のお店が真似する方法ではありませんので、注意しましょう

衝動買い効果を狙って、いろいろな商品を陳列するなんてことしたら、棚卸保有で資金ショートしかねませんからね

ここで、消費者ニーズの考え方の例をひとつ

大型店がサンマ4尾480円で安売りしていたとします
この場合1尾の単価は120円になります

これに対抗して、当店ではサンマ6尾を660円で売ることにします
これ、1尾の単価は110円ですから大型店より安い!

さて、この方法で大型店から消費者を取り込むことはできるでしょうか?

ある程度の人は流れてきますが、そう簡単にお客は流れてこないでしょう

なぜ、単価の安い当店に客は流れてこないのでしょうか?

それは、当店のセット数が消費者の「欲しい数量」を超えているから

鮮魚の場合、購入した日に消費されることがほとんどです

つまり、サンマは家族人数分あれば十分なわけです

現代日本では、核家族化が進んだせいで平均的な家族人数は2~4人が多いのです

3人家族が4尾買うことはあっても、4人家族が6尾のサンマを買うでしょうか?

しかも、人数ピッタリの4尾480円に対し、2尾多い6尾が660円のサンマを買うでしょうか?

大型店より2尾多く、しかも「絶対値」が高いときたら消費者は購入しないのです

いくら単価が安くても「不必要なものにお金は払わない」という当たり前の行動なのですね

結果的に、6尾660円の商品は消費者ニーズにマッチしていない商品ということが言えるのです

といって、4尾470円では商売として成立しないかもしれませんよね

ステーブ・ジョブズの言葉に

「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?
そう思った時点で君の負けだ。
ライバルが何をしようと関係ない。
その女性が本当に何を望んでいるのかを見極めることが重要なんだ」

というのがあります

なにも同じ「サンマ」で勝負する必要はなかったのです

さらに言えば、ニーズというのは、「何が?」だけではないのです

「いくつ(何個)欲しい?」

「いくらなら購入する?予算は?」

これらの複合的な要素が全て合致したときに「消費」という行動につながります

同じサンマで勝負するのであれば

例えば、1尾なら150円、2尾なら280円・・・4尾480円・・・6尾700円と、消費者に欲しい数を決めてもらい、数が増えるごとに単価が下がっていくような販売方法も効果的かもしれません

ポイントは、4尾以上の単価を大型店と同じにすることで、6尾の売値は当初案の660円より高くなっています

これで、極端な安売り合戦に巻き込まれなくて済みます

さらに、3尾以下の場合には大型店より単価は高いのですが、「4尾もいらない」という客のニーズに対応しているのです

「必要な数量」という「バラバラの消費者ニーズ」に対し、「消費者に数の選択を委ねる」という方法よって対応している事例でした

ジョブズの言葉にもあるように、消費者が何を望んでいるのかを見極めることが大型安売店と勝負する方法の1つだといえます

ニーズを知る方法には、流行を探ることや消費者動向を調べるなど他にもいろいろありますが、そのあたりのことは別の機会にまた書きたいと思います

 

 

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